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青空の下、麦踏みをする利用者や地元住民ら=2025年1月22日、横浜市青葉区、増田勇介撮影

 晴天のなか、青々とした麦の穂の列を踏みつけていく。麦も土もふかふかだ。参加者からは「いい土ですね」「背徳感がある」といった声が上がった。

 横浜市青葉区にある知的障害者の通所施設「グリーン」の畑で1月22日、麦踏みがあった。麦を踏みつけることで成長を促すものだ。利用者の橘碧依さん(28)は「楽しかった。疲れないし(小麦ができれば)ビールになるからね」。

 地元の住民も参加し、近くのNPO法人「青空保育ぺんぺんぐさ」の子どもたちは、かけっこを楽しんでいた。

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麦踏みには子どもたちも参加し、かけっこを楽しんだ=2025年1月22日、横浜市青葉区、増田勇介撮影

 青葉区で栽培、収穫された小麦の地産地消に取り組む「横浜あおば小麦プロジェクト」代表の奥山誠さん(55)は、区内の飲食店にグリーンがつくる小麦を利用するように呼びかけている。

 「いろんな料理に使えて地産地消になって、街のみんなが喜んでくれる。結果的に(農業と福祉の)農福連携にもなった」と話す。

 グリーンは養護学校(特別支援学校)を卒業した子どもたちの居場所をつくろうと、親が設けた作業所がはじまりだ。当初から農作業を活動の中心に据えていた。

施設長「落ち着きがないときは畑で」

 利用者は自閉症の人が多く…

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